なぜ「お絵描き」をするのか

全国通訳案内士試験二次口述の「外国語訳」(通訳)課題の練習方法として、私が挙げているものに「お絵描きエクササイズ」があります。

「お絵描き」とは、問題文の内容を一枚の絵に描いて表す、ということです。

これは、練習方法であると同時に、ノートテーキング自体でもあります。プロの通訳者のノートは「絵」の要素が多分に含まれています。

では、なぜ通訳をする際に「絵を描く」のでしょうか?

この点、「文字で書いていたのでは時間的に追いつかないから」と説明されることがあります。しかし、これは一面的な説明に過ぎません。

お絵描きの本来の目的は、原情報の「イメージ化と論理分析」にあります。

原情報の内容をイメージ及び論理図にすることにより、記憶と訳出が容易になるのです。

この「イメージ及び論理図」のことを、私は「中立情報」と呼んでいます。中立情報とは、日本語でも英語でもない「意味」のことです。

英語も日本語も、全ての言語は「意味」から出てくるのです。

(『逐次通訳七番勝負!』P.19)

よって、日本語を英語に変換する際には、日本語⇒英語、のようにダイレクトに変換するのではなく、日本語⇒中立情報⇒英語、のようにいったん中立情報(イメージ)を経由するのが理にかなっています。

「お絵描き」はこのように通訳の原理に基づいた方法であり、単なる速記メモの方法論ではありません。

通訳では、文字に頼りすぎないようにすることが大切です。

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