本年度の全国通訳案内士試験二次口述、出題のヤマは何でしょうか。
とりあえず1つ挙げるとしたら、私は「浮世絵」を挙げます。
理由は、①基本的・代表的な日本的事物である、②2013年度に出題されて以来、一度も出ていない、③今年のNHK大河ドラマが、浮世絵のプロデューサー・蔦谷重三郎の話である、です。
特に、NHKのドラマが出題される、というのは通訳ガイド試験の伝統です。近年の例では、2021年度に「渋沢栄一」(その年のNHK大河は渋沢栄一が主人公の『青天を衝け』)が出題されています。
また、「浮世絵」は時事的な要素があるだけでなく、いつでも出題されうる普遍的な日本事物ですから、チェックしておいて損はありません。
さて、では受験者は「浮世絵」の出題に備え、最低限、どのような内容を準備するべきでしょうか。

(「浮世絵」のモデルプレゼン掲載書籍)
通訳案内士試験二次口述過去問詳解 ダイジェスト 平成25-26年度分
(1)定義
Ukiyo-e are genre pictures developed during the Edo Period. (浮世絵とは、江戸時代に発達した風俗画のことです。)
木版画(woodblock prints)と定義づけても良いですが、正確には浮世絵には肉筆画も含まれるので、この定義ならより広い定義づけとなり、この後の叙述に対する拘束度が下がります。
(2)印象派への影響
Color prints were made possible by applying the same number of blocks as the number of colors used. Thanks to this technology, mass production of this art came into being and many copies were exported overseas. Ukiyo-e exerted a great influence on Impressionists such as Gogh, Gauguin, and Monet. (用いられる色の数と同数の版木を用いるという技術により、多色刷りが可能となりました。この技術のおかげで、たくさんの枚数が海外に輸出されました。浮世絵は、ゴッホ、ゴーギャン、モネといった印象派の画家たちに多大な影響を与えました。)
多色木版画⇒大量生産⇒輸出⇒印象派への影響、の流れを正確に解説できるようにしておくと、好印象です。
(3)観光アトラクションとしての情報
お勧めの美術館、有名な作品、有名な作家、などは、質疑で尋ねられますので、準備しておきましょう。
If you want to enjoy ukiyo-e, I recommend visiting the Sumida Hokusai Museum in Tokyo.
It is dedicated to Katsushika Hokusai, one of Japan’s most famous ukiyo-e artists, who was born in this area.
The museum displays his masterpieces, including Thirty-Six Views of Mount Fuji, and offers interactive exhibits that help visitors understand his life and techniques. (浮世絵を楽しみたいなら、東京のすみだ北斎美術館を訪れるのがおすすめです。
この美術館は、日本を代表する浮世絵師・葛飾北斎を記念して建てられたもので、北斎の生誕地であるこの地域にあります。
館内では、代表作「富嶽三十六景」をはじめとする名作が展示されており、北斎の生涯や技法をわかりやすく紹介する体験型の展示も楽しめます。)
今年の出題予想については、「二次口述特別動画セミナー」の第8講「出題予想」でどうぞ。テキスト付きでお得です。


