坂本八幡宮ー令和ゆかりの地

坂本八幡宮は、福岡県太宰府市にある小さな神社です。大宰府都府楼跡のすぐそばにあります。

ここは、元号「令和」ゆかりの地として有名になりました。以前は、本当に小さな地元の神社だったのですが、新元号以降、福岡の新観光名所として、初詣の時期などは、この小さな神社が人であふれるようになったそうです。

私が先日、ここを訪れた際は、年末の閑散期、しかも雪が降っていて、人っ子一人おらず、私の独り占め状態でした。

 

すぐそばの大宰府政庁跡も、独占状態です。

 

平成から令和へと、元号が変わったのは2019年でしたが、この年、全国通訳案内士試験二次口述のプレゼン課題では、新元号の典拠『万葉集』が出題されました。私はこの解答例の中で、坂本八幡宮を紹介しています。

The Manyoshu, literally “Collection of Ten Thousand Leaves,” is Japan’s oldest extant anthology of waka, Japanese verse. It became news in 2019 as the text from which the new era name “Reiwa” was derived.
(中略)
The two kanji that constitute “Reiwa,” meaning “beautiful harmony,” come from the headnote attached to a group of poems composed on the occasion of a plum blossom viewing party. The headnote describes the party as held in a “beautiful” month with a “harmonious” or “peaceful” breeze.
One interesting spot to visit is Sakamoto Hachimangu, a small Shinto shrine in Fukuoka, Kyushu. This is believed to be the site of the residence of Otomo no Tabito, head of the Dazaifu Regional Government, who held the plum blossom viewing party there.

万葉集とは、文字通りには「一万の葉を集めたもの」という意味ですが、現存する日本最古の和歌集です。和歌とは、日本の定型詩のことです。万葉集は、2019年に新元号「令和」の典拠として報じられて話題になりました。
(中略)
「令和」とは「美しい調和」という意味で、これを構成する2つの漢字は、梅花の宴の席にて詠まれた一連の歌の序文に由来しています。この序文では、この宴が「美しい」月に、「調和的」あるいは「和やか」な風の中で行われた、と記述されています。
関連する観光地の1つとして、九州は福岡にある坂本八幡宮という小さな神社が挙げられます。ここは太宰府帥であった大伴旅人の邸宅跡であり、旅人は先に述べた梅花の宴をこの地で催した、とされています。

(『モデル・プレゼンテーション集 過去問編⑪』の「万葉集」より抜粋)

他の関連の過去問として「元号」があり、これは2018年度、そして直近の2023年度にも出題されています。

2018年度の解答例の執筆時は、まだ「令和」が決まっていなかったので、私もモデルプレゼン中で坂本八幡宮に触れることはなく、元号一般の説明をしました。

Gengo originates in ancient imperial China and is based on the idea that the emperor rules not only space but also time. Japan adopted its own gengo, Taika, with the centralization of government in 645.
(中略)
Throughout history, gengo has always been a symbol of the times for the Japanese. With the change of gengo, people look back on the old era sentimentally and forward to the new with anticipation. I hope this helps you appreciate gengo. Thank you.

元号は古代の中国帝国に起源があり、皇帝は空間だけではなく時間をも支配する、という思想に基づいています。日本では、645年に中央集権化が始まった際、独自の元号たる大化が制定されました。
(中略)
歴史上、元号は日本人にとって常に、時代を象徴するものでした。元号が変わるたびに、人々は過ぎ行く時代を感傷と共に振り返り、来る新時代への期待に胸を膨らませます。今回の私のお話で、元号について皆様がより深く理解していただけたのであれば、大変うれしく思います。どうもご清聴ありがとうございました。

(『モデル・プレゼンテーション集 過去問編Ⅸ』の「元号」より抜粋)

本年度に、再度「元号」が出題されたので、今回はこれを坂本八幡宮の話で書こうかな、と現在、構想中です。