火山と湖はなぜ観光地か?

 

日本には、多くの火山と湖があり、これらはほぼ必ず観光地です。全国通訳案内士試験二次口述プレゼンでも、たびたび出題があります。

具体的には、「桜島」「阿蘇山」(共に2019)、「琵琶湖」(2018)、「ラムサール条約」(2016)、「日本の湖」(2015)、「富士山」(2014)、などです。

全国通訳案内士試験に観光地が出題されるのは当然ですが、では、なぜ火山と湖は必ず観光地なのでしょうか?これを知っておくと、各トピックが横に繋がり、応用が利くようになります。つまり、たとえば「富士山」と「桜島」は、全く別の観光地ですが、共に火山であるので、実は一般論の部分は共通である、ということですね。

火山が観光地の理由は、火山活動により地形が複雑になるため、美しい景観ができること、それから温泉があること、の2つです。英語では、Volcanic activities create beautiful scenery and onsen hot springs. のように言えばよいでしょう。

湖が観光地である理由は、遊覧船、釣り、バードウォッチング、などの直接のアクティビティがあること、それから、水のあるところには古来、人が集まるので、史跡も豊富なことです。

よって、観光の観点からの説明が求められるガイド試験のプレゼンでは、当然、それぞれのお題につき、上述のようなアトラクションを挙げるべきです。すなわち、何らかの火山が出題されたら、景色と温泉の話をすべきですし、湖が出題されたら、水辺の遊びや史跡を挙げるべき、ということになります。

以下は『モデル・プレゼンテーション集 過去問編Ⅹ』の「琵琶湖」のモデル・プレゼンテーションの引用です。

A Ramsar site, Lake Biwa has provided benefits to the surrounding area: drinking water, transportation, rich nature and more. Also, due to its proximity to Kyoto, it has abundant historical sites.
One recommended spot is Hikone, which is on the eastern side of Lake Biwa. It is known for Hikone Castle, a national treasure. The area was ruled by the Ii clan, one of the most loyal to the Edo Shogunate. The Ii clan produced high shogunate officials, including Ii Naosuke, who decided to end the national policy of seclusion in the mid-19th century.

(琵琶湖はラムサール条約登録湿地であり、周辺地域に様々な恩恵をもたらしてきました。たとえば、飲料水、運送手段、豊かな自然、等々です。また、地理的に京都に近いことから、ここにはたくさんの史跡があります。
お勧めのスポットとしては、彦根が挙げられます。彦根は琵琶湖の東岸に位置しており、国宝の彦根城でよく知られています。ここを支配していたのは井伊家という、江戸幕府に最も忠実な一族の1つでした。井伊家は、幕府の高官を輩出し、その中には井伊直弼が含まれます。直弼は、19世紀中ごろに、国法である鎖国政策を終わらせる決断をした人物です。)

このように、湖⇒史跡、という結びつきを知っていることにより、持ちネタの応用が利くようになります。つまり、上の例でいうと、湖が出際されたときに、お城の話、さらには幕末・明治維新の話ができるようになるわけですね。

彦根城は、今年の一次筆記試験「一般常識」で出題されており、二次口述におけるヤマです。

彦根城の出題予測の根拠は、以下の通り。

①上述のごとく、今年の一次筆記試験に出題されている。

②今年は、日本からの世界遺産新規登録がなく、彦根城は、来年以降の世界遺産登録を目指している暫定物件である。

③最近、「犬山城」(2021)、「姫路城」(2020)、といった国宝現存天守閣を持つ城の出題が続いている。

犬山城 犬山城にて