江戸の買い食い文化

全国通訳案内士試験二次口述まで、あとちょうど50日です!

今は、ファーストフードが世にあふれていて、我々はこれを当たり前だと思っています。しかし、ファーストフードが発達し始めたのは、江戸時代のことです。

ご存知、寿司、天婦羅、ウナギ、おでん、蕎麦、などですね。

では、なぜ江戸時代にファーストフードが流行ったのでしょうか?

それは江戸が、当時は「新興都市」だったからです。

Fast food became popular in Edo, then a newly developing city.

新興都市では、たとえばあちこちで土木工事がある。商工業が発達すれば、雇用契約で働く人が増える。

つまり「外で働く独身男性」が気軽に食べられるものが必要だったわけです。

この「外で働く独身男性」も、今では当たり前ですが、それは産業革命以後のことです。

昔は、在宅ワークこそがスタンダードでした。当時「外で働く」といえば、それは家の外にある自分の畑に出て、農作業をする、という意味でした。

農村では、昼飯は家に帰って、母ちゃんが作ってくれたものを食べていた。だから、ファーストフードは発展しようがなかったわけです。

江戸時代に発展したファーストフードは、現在もポピュラーです。

つまり、通訳ガイド試験に出る、ということですね。

寿司については、プレゼンで「回転寿司」「ちらし寿司」が2017年度に出題されています。

モデル・プレゼンテーション集 過去問編7(「回転寿司」を掲載)

寿司は通訳問題でも2019年度に出題されています。

2018-19 全国通訳案内士試験 二次口述過去問詳解ダイジェスト

天婦羅については、2022年度の通訳・実務質疑で出題されています。

2022全国通訳案内士試験二次口述過去問詳解(下)(「天婦羅」を掲載)

おでんは、プレゼンで2回出題されています(H27、2019)。

全国通訳案内士試験 二次口述過去問詳解ダイジェスト(平成27年度分)(「おでん」を掲載)

現在、寿司や天婦羅は高級料理としても発展していますが、おでんだけは相変わらずファーストフードですね。

セブンイレブンが1970年代に初めて日本に上陸した際、最初はアメリカ流にハンバーガーやホットドッグを打っていたのですが、日本ではこれがあまり売れず、おでんにしたら売り上げが上がった、という逸話があります。

上記のH27年度の解答例では、私はこのエピソードを使っています。

もう1つ、関連過去問として「豊洲市場」(2022プレゼン)があります。

モデル・プレゼンテーション集 過去問編18(「豊洲市場」を掲載)

豊洲市場は、寿司、天婦羅、ウナギなどに使う食材を提供した、江戸時代の「魚河岸」が起源です。

過去問全体をこうして見ていくと、使える知識が増え、応用が利くようになります。

Fast food and “going out to work” are taken for granted today. However, that was not the case before the Industrial Revolution.
(ファーストフードと「外で働く」ということは、今では当たり前と思われていますが、産業革命以前はそうではありませんでした)