最新『過去問詳解』完成!

全国通訳案内士試験二次口述対策の必携書『過去問詳解』の2022年度版の下巻が完成いたしました。

大変お待たせいたしました。発売開始は、オンラインストアで10月2日(月)の予定です。

毎年刊行される『過去問詳解』には、各直近年度の全部の出題の再現、解答・解説が掲載されています。

出される課題の中で、プレゼンテーション課題の解答例は、特に普遍的価値が高く、合格後も読みたい、というご希望が多いので、過去問詳解に掲載のモデル・プレゼンテーションに特化したシリーズ本が『モデル・プレゼンテーション集 過去問編』です。

今回該当の18巻も、ほぼ完成しており、『詳解』にやや遅れて発売開始の予定です。

それぞれ、出荷準備が整いましたら、改めてメルマガ等でお知らせいたします。

PEP出版の書籍の作成は、執筆はもちろん表紙のデザインまで(英文ネイティブチェック以外は)全て、私が1人で担当しています。

作成作業の中で、一番大変なのが、やはりプレゼンテーションの執筆です。

通訳課題の解答例(英訳例)を作るのとは異なり、プレゼンは、ゼロから自分で内容を考えなければならないからです。

これを書くため、毎年、山のような資料を読み込み、年頭から秋までうんうんうなりながら書いています。

今回、上記2冊でカバーしたお題は、次の18題です。

(1) 恵方巻、(2) 中華街、(3) 床の間、(4) 白河の関、(5) 鯛焼き、(6) グランピング、(7) 秋田竿燈まつり、(8) 借景、(9) 赤飯、(10) 杉玉、(11) 小笠原諸島、(12) セルフレジ、(13) 麹、(14) 山寺、(15) 一人カラオケ、(16) 大安吉日、(17) うどん、(18) 豊洲市場

上記のうち、(1) 恵方巻、(5) 鯛焼き、(7) 秋田竿燈まつり、(10) 杉玉、の4題が、以前の再出題です(但し私は毎回、別バージョンの解答例を作っています)。18問中4問といえば、22パーセントです。

ちなみに同年度『過去問詳解(上)』(モデル・プレゼンテーション集 過去問編17)でカバーされているもののうち、5問が以前の再出題でした。これを合わせると、36問中、11問が過去に出たことがある問題ということになります。

そうすると3割近くが過去問から出題されている、ということになります。プレゼン課題はご存知の通り、3つのお題から1つを選ぶ形式ですから、計算上はほぼ全ての問題組に過去問が1つ含まれており、過去問研究すればプレゼンは解答できる、ということもできます。

もっとも、過去問の再出題率は年度ごとに異なり、また実際は、問題組によっては再出題のトピックが含まれていないこともあります。しかし、過去問研究の眼目は「当たるのを期待して試験に臨み、当たったら覚えたものを吐き出す」などといった単純な事にあるのではありません。

過去問研究により、試験に問われるポイントが分かってくることで、的外れな解答をすることを防げ、また、効率的なインプットをすることができます。

そして、個別にインプットしていた知識が横方向に繋がり始めます。これが「守破離」における「守」から「破」への発展です。

たとえば、上記の18題のうち、(7) 秋田竿燈まつり、(9) 赤飯、(10) 杉玉、(13) 麹、は、背後に「日本人とコメ」というテーマが隠れています。こうしたことが見えてくると、未知のお題に対しても、応用が利き、楽しくなってくるのですね。

私は普段「学習者の方々にできるだけ楽しく興味深い素材を提供する」などと言っていますが、実は一番、楽しく勉強させてもらっているのは、私自身です。

今回のお題で印象深かったものを1つ挙げると「麹」があります。

麹はカビの一種ですが、酒、味噌、醤油、味醂、酢、などの発酵食品を作る材料ですね。麹がなければ、日本料理は存在不可能といえます。

Umami が英単語として確立されており、麹に対する外国人観光客の関心は高いのですね。

私も一応、知識としては知っていましたが、ひとたび「説明する側」に立つと、またいろいろ新しいものが見えてきました。これはまた、後の執筆に生かしていきたいと思います。