全国通訳案内士試験二次口述の実務質疑(シチュエーション)は、他の2つの課題(プレゼンと通訳)とはまた違った難しさがあります。
試験委員と呼吸を合わせて顧客対応ロールプレイ劇を行うものです。実務質疑は、何となく即興性が求められる課題、といったイメージがあります。
しかし、言語的矛盾のようにも聞こえますが、私は「入念な準備こそが即興を可能にする」と考えています。
実務質疑の準備とは、まず対応の基本パターンを理解し、実践できるよう演習することです。そのためには、構造と必要な英語表現を把握することが必要となります。
実務質疑の対応パターンの基本は、1.共感表明、2.状況説明 事実+理由、3.解決策提案、の三部から成ります。これらを会話の中で展開しなければなりません。
1.共感表明
⇒できるだけ肯定から入ります。たとえ結論的に顧客の要望は否定する場合も、まず「お気持ちはわかります」から入るべきです。
① I understand.
② I appreciate your interest.
③ That’s a great idea!
④ I see the problem.
⑤ Yes, sir.
⑥ I’m glad you asked.
2.状況説明 事実+理由
⇒状況がネガティブな場合は、丁寧に気を使いながら、かつクリアに事実を説明します。ネガティブな状況も、理由を説明すると納得してもらいやすくなります。
① Actually,..
② I’m afraid,…
③ Luckily,…
④ Due to…
⑤ Thanks to…
⑥ Because…
⑦ Unfortunately…
3.解決策提案
⇒この丁寧な表現を、文法的にも正確に使うことをお勧めします。
① May I suggest that you [原形動詞] ?
② May I suggest [動名詞] ?
