プレゼン攻略法①トピック選択

前回の記事の通り、私、杉森は、全国通訳案内士試験二次口述プレゼン課題を12年間、専門に研究してきています。

専門家の立場から、今回はプレゼン課題の攻略法をシェアします。

ご存じの通り、全国通訳案内士試験二次口述では、プレゼン課題が出されます。

その場で示された三択のトピックにつき、30秒で選択・準備し、続いて2分の即興スピーチでそのトピックにつき受験外国語で説明する、という課題です。

この高難度の課題への対策としては、三択トピックの分析が大切です。

 

(『新・面接再現動画』のシーン)

 

なぜなら、トピックの分析は、①トピック選択、と、②プレゼン構成、の両方の指標になるからです。

まず、①トピック選択について考えます。

▶三択トピックの選び方

上述のように、トピック選択は重要ですが、これは極めて短時間(数秒)で行う必要があります。

なぜなら、与えられた30秒は、できるだけ話の構成に割きたいからです。

話すために、そのトピックについて一定の知識があることは前提として、その上で素早くトピックを選ぶためには、あらかじめ「自分は『どういうタイプの題』が話しやすいか」について明確にしておくことが必要です。

すると、その前提として「題のタイプ分け(類型化)」が必要となってきます。

トピックの類型分けは、大きい方から考えるべきです。

最も大きい類型分けは、「観光アトラクション型」VS「非観光・解説型」です。

「観光アトラクション」とは、旅行の楽しみのこと。別の言葉でいうと「るるぶ(見る、食べる、遊ぶ)」のことです。

つまり前者「観光アトラクション型」とは、そのトピックをプレゼンの最後で「~をぜひお楽しみください。ご清聴ありがとうございました」のようにお勧めできるものです。

具体例としては「蕎麦」「寿司」などの食べ物や、「鎌倉」のような観光地、「聖地巡礼」のような体験、などがこれに該当します。

 

プレゼン出題トピック索引」(無料DL)

 

一方で、後者「非観光・解説型」とは、時事問題などの解説を求めるもので、「~をぜひお楽しみください」とは言えないものです。

具体例としては「2024年問題」「線状降水帯」「お受験」などがこれに該当します。

過去問の出題割合としては、前者「観光アトラクション型」が圧倒的に多く、8~9割がこれに該当します。

後者「非観光・解説型」の出題は、毎年2題程度です。

一般的にいって、話しやすいのは前者「観光アトラクション型」です。

次に重要な類型分けは、「広い題」VS「狭い題」です。

たとえば、「日本の城」(2015、2016)は広い題、「犬山城」(2021)は狭い題です。

話しやすいのは、圧倒的に前者です。なぜなら、上記でいうと、自分の得意な城を具体例として持ち込めるからです(たとえば「姫路城」の知識だけがある受験者は、前者の題なら対応できるが、後者の題では対応できない)。

つまり、三択プレゼンの題で「話しやすい」ものは(知識があることを前提に)一般的に「観光アトラクションかつ広い題」ということになります。

この「観光アトラクションかつ広い題」は、「テンプレート」に当てはめやすい、という利点もあります。

次回は、こうした題を選んだ場合の、プレゼン構成のやり方について触れたいと思います。