今回は、私が個人レッスン(全国通訳案内士試験二次口述準備)のプレゼン演習の際に重視することを述べたいと思います。
プレゼンテーション課題が通訳課題と異なる点としては、①内容を自分で考え構成する必要があること(言語面)、②非言語面(笑顔や視線等)も重要であること、が挙げられます。
私はまず①にフォーカスします。つまり、受講者の方がまず「話せる」ようになってもらうことを重視するのです。
なぜなら、やはり「外国語の」「観光ガイド」の試験である以上、やはり言語面が大切であり、こちらの方がクリアするのに時間がかかるからです。
個人レッスンのプレゼン演習では、三択のお題のうち1つを事前に告知し、受講者の方が準備できるようにします。
この「事前告知トピック」は、書籍『過去問詳解』にモデル・プレゼンテーションが掲載されていますから、受講者の方は最悪、これを丸暗記してきて、レッスン時にはそれを披露(リサイト)することにより、とりあえず絶句せず「話す」という体験ができることになります。
教科書を丸覚えすれば、話の内容(観光の視点)、構成(スピーチの三段構造等)は、できているはずです。よって、レッスンではもっぱら、英語面(発音や文法等)をチェックすることになります。ただし、あまり細かいことを言い過ぎると自信を無くして話せなくなってしまいますので、指摘する箇所は選択が必要です。
この「丸暗記⇒リサイト⇒チェック」というサイクルを毎回重ねていくと、知識、構造、英語表現、時間管理、といった基本が自然に血肉となっていきます。
そして次には自分流のアレンジ、さらにオリジナルの即興プレゼン、と無理なく進んでいくことができます。
これは、まさに「守破離」の考えに沿ったものですね。