こんにちは。杉森です。今年も「熱い夏」が続いていますが、お元気でいらっしゃいますか。
2021年度の全国通訳案内士試験の願書受付は、8/18(水)までとなっています。受験される方で、まだ手続きされていない方は、早めに済ませてしまいましょう。年に1度しか受けられない試験です。ミスしたら大変です。出願はJNTOのサイトからです。
受験をまだ迷っておられる方には、私は強く受験をお勧めします。「いずれ」ではなく、今、行動することが大事です。たとえ、今年一発で最終合格することが出来なくても、現行の試験には科目別の免除制度があります。1科目でも今年合格しておけば、来年、その科目が免除になるので、今年のチャレンジは無駄になりません。
私は、表題通り、全国通訳案内士試験の受験は、日本の全英語学習者の「必修科目」であると考えています。この「日本の全英語学習者」とは、日本語と英語を使って「何かをしたい」と思っている人全員を指します。「何か」とは、仕事に限らず、趣味でもいいのです。
全国通訳案内士試験は、もともと外国人相手の観光ガイドの資格を付与するための国家試験ですが、この試験の最大の意義は、その資格自体よりも「日本のことを外国語で説明する」という点にあります。外国語の学習を始めたからには、この「日本のことを外国語で説明する」という能力が「必修」なのです。
たとえば、日本語を母語とし、日本で生まれ育った人が英語を外国語として学ぶとします。その目的は何でしょうか。それは、「日本語に加えて英語『も』使えるようになる」ことのはずです。つまり、自分の持つ能力を「1+1=2」にすることであって、自分の日本的バックグラウンドを捨て去って英語ネイティブになること(1+1-1=1)を目指しているわけではありません。
そして目指すべき「日本的バックグラウンドの人で英語を使える人」が、英語を用いて英語圏の人とコミュニケーション(情報のGive & Take)を行う際、発信することが期待されるのは、「日本に関すること」に他なりません。
好むと好まざるとにかかわらず、英語圏の人は、この人を「日本的バックグラウンドの人で英語を使える人」として認識します。そうだとすれば、この外国人は「この人は日本のことを私の理解できる言語で教えてくれるはずだ」と期待します。
この期待に応えられないと何が起こるか。何を訊いても “I don’t know” しか答えない人は、「何だ、つまらないな」と思われ、やがて話しかけてもらえなくなります。世の中はすべからく Give & Take 、ただ Take するだけの人には、誰も Give しなくなりますから、結局、情報が集まらず、学ぶことができない、ということになります。異文化から学びたいのであれば、自分の文化を異文化に向けて教える必要があるのです。
こうして、これまで学ぶだけであった状態から「教える」段階へ至った時、気が付くことがあります。それは、「自分は日本に生まれ育っていながら、いかに日本について無知であったか」ということです。そして、日本について意識的に学習を始めます。「最高の学習方法は教えること」といいます。これが素晴らしい体験なのです。
このように、全国通訳案内士試験の受験勉強を通じ、日本を英語で発信する力を付けることができれば、その学習者のステージは確実に1段も2段も上がると断言できます。すなわち、広い意味での「語学力」が確実に向上するのです。ぜひ、全国通訳案内士試験の受験を始めることを強くお勧めします。やるなら今です!