2年連続で同じトピックは出るか?

全国通訳案内士試験二次口述プレゼン課題の出題範囲は、非常に広範です。

ゆえに「今年は何が出るのか?」は、受験者の大きな関心事です。

ご存じのように、重要かつ普遍的なトピックは過去、繰り返し同じものが出題されています。

どのトピックが過去何回出題されているか、については、書籍『2024全国通訳案内士試験二次口述 過去問詳解(上)』のP33、34に掲載されています。

2024全国通訳案内士試験二次口述過去問詳解(上)(購入はオンラインストア

また、二次口述特別動画セミナーの「スイカのレジメ」(レジメは誰でも無料ダウンロード可)や、「プレゼン出題トピック索引」(無料ダウンロード)で調べることもできます。

 

さて、表題の件についてです。本年度の予想を立てる上で、過去問を参考にするにしても、直近年度に出たものについては「2年連続で同じ題が出る可能性は極めて低いだろう」として、除外してしまうのはありか否か、という問いですね。

結論を先にいうと「なし」です。直近年度に出たものを除外すべきではありません。直近年度に出たものほど、念入りに研究すべきです。

なぜか。理由は2つあります。

まず1つ目は、2年連続で全く同じトピックが出題された例が実際に過去にあるからです。

「東海道五十三次」が、2014年と2015年に連続して出題され、また「日本の城」が2015年と2016年に連続して出題されています。

そして2つ目の理由ですが、こちらの方が重要です。

それは、普遍的で重要なトピックは、形を変えて、ないし関連問題が、何度も出題されるからです。

分かりやすい例として「広い題」VS「狭い題」があります。たとえば、「日本の城」(2015、2016)に対して「姫路城」(2020)は、前者が後者を包含する関係にあります。

この両者は、前者についての説明は、後者の一般論として使えますし、後者の説明は、前者の具体例として使えます。つまり、共通部分が大きく、実質的に同じ題である、と言えるわけです。

また、質疑において普遍的なテーマはよく訊かれることがあります。

たとえば、明治維新などはさまざまなトピックにおいて関連事項として問われます。

過去問を研究していくと、このように出題トピックの「横のつながり」が見えてきます。

もう少しレベルの高い例としては、一見して関連していることが分かりにくいが、過去問を出題趣旨まで遡って研究していると見えてくる関連トピック、というものがあります。

たとえば、「里山」(2019、2021)、「古民家」(2022)、「棚田」(2015)、合掌造り(2015)、などは、「自然との共生」(life in harmony with nature)や、「文化的景観」(cultural landscape)という概念でつながっています。

よって、たとえば「里山」のプレゼンで、In a typical satoyama, people live in minka, traditional Japanese houses for the common people. (典型的な里山においては、人々は民家という、一般の人々のための伝統的日本家屋に住んでいます)のように「古民家」を登場させることができます。

このように、普遍的で重要な課題は、大きな意味でも小さな意味でも「2年連続で出る」ことはあるのです。