未知の単語が出たら…

2022年度全国通訳案内士試験二次口述(12/11)まで、今日を含み、あと24日です。

通訳(外国語訳)課題で、未知の単語が出題されたらどうしよう…これは、誰もが抱く恐怖の1つです。

単語力は確かに大切です。PEPでも教材「単語三兄弟」(書籍『日本事象英単語帳』、無料配布「PEP単語カード」、PEP動画ホーダイのコンテンツ「QRT」)で、単語力を鍛えることを奨励しています。

しかし、全ての単語を知った上で通訳本番に臨む、ということは不可能です。よって、本番において大切なのは、知らない単語が出てきても、これに対処できる能力です。

日本語から英語へ通訳するにあたり、日本語の単語に該当する英単語を知らない場合の対応法は、①言い換えを考える、②省略する、③日本語のまま言う、の3つです。

本番では、どれにするかを瞬時に判断しなければなりません。わからない単語が出てきたところで精神的ダメージを受けて止まってしまい、簡単に訳せる他の部分の訳も言えなくなってしまう、というのが一番よくありません。

ところで、こうした対処法は、結局のところ次善策に過ぎない、と思ってしまいがちですが、実際はそうでもない場合が結構あります。

たとえば、①の場合、実はその日本語に該当する英語は存在せず、説明的な訳が正解であった、ということがあります。つまり「言い換える」は次善ではなく、実は最善であった、ということになります。

②の場合も同じです。特定の単語を逐語的に訳出していなくても、文章の他の部分に同じ意味が含まれていて、全体として同様の情報が表現されていれば、それはそれで立派な訳です。

③について、通訳ガイド試験では特にそうですが、純粋な日本的概念である場合、英語の中でもその単語は日本語のまま扱うのがスタンダード、ということはたくさんあります。よって、日本語のまま言うのが実は最善であった、ということも多いのですね。

こうしてみると、特定の単語を知らないがゆえに訳が不能になるケースは、思ったよりも限定的であることが分かります。

知らない単語が出てきた際の対処法を判断する、これができるための大前提は、やはり「問題文をよく聴く」です。

私が「二次口述特別動画セミナー」等で通訳理論を解説する際、「日本語リスニング」を強調するのは、こうした意味なのですね。

▶PEPニュース
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