外人だってトイレに行く

全国通訳案内士試験二次口述(12/11)まで、あと32日(今日を含む)です!

この試験で問われるのは、広く「訪日外国人観光客の関心事」(ガイドライン)です。

よって、トイレの話も当然含まれます。重要ですから。

過去問にプレゼンで「みんなのトイレ」(2020)が出題された例があります(解答例『モデル・プレゼンテーション集 過去問編13』または『2020過去問詳解(上)』)。

解説YouTube動画
「みんなのトイレ」のご案内方法は?知らないとヤバい!全国通訳案内士試験二次口述プレゼン出題「正しい通訳ガイド」シリーズ

20年ぐらい前までは、「日本的なトイレ」というと「和式」のことでした(和式トイレは squat toilet といいます)が、今では「ウォッシュレット」のことです。

一次筆記試験でも、数年前の「一般常識」において「日本の一般家庭におけるウォッシュレットの普及率は?」という問題が出題されたことがあります。

「ウォッシュレットとは、通常の洋式トイレの内部にノズルが仕込んであって、利用者が利用後にノズルから出る温かいお湯でお尻を洗ってもらえるものです」

と英語で言えますか?トイレの説明をするには、話のネタと共に、適切な語彙・表現を知っておくことが必要です。

私は昔、通訳をやっていた頃(1990年代後半)、訪日していたアメリカの大企業の女性マーケターから、こんな質問をされたことがあります。

「ホテルの共用トイレを使った際、いろいろなボタンがあったので押してみたら、水が流れる音がしたのだが、実際に水は流れなかった。あれは何か?」

これは用を足す際の音をカバーする「音姫」のことですね。

私はここで時間を稼ぐためにアハハと笑って見せ、次のように答えました。

When people use a toilet, they make noise.  But some Japanese women are so shy that they are embarrassed to be heard. (トイレを使うと音がしますが、日本の女性は、この音を聞かれるのを恥ずかしがるのです)

ここまで言うと、もうそれでこの方は “Oh! So, in order to hide the noise!” (なるほど!それでその音を隠すために!)とバッチリわかってくださいました。そして “I can’t wait to tell this to my daughter in the States!” (国の娘にこの土産話をしてやるのが待ちきれないわ)と言われていました。

音姫が開発される前は、音を隠すためにトイレを流し、さらに使用後に再度流す、という水の無駄遣いがされることがあったので、音姫は環境保護のための発明でもあったのですね。

音姫は、ウォッシュレットの付属的機能です。ウォッシュレット自体(ノズルから水が出る仕組)は、1980年代に日本で実用化されました。この開発秘話は、NHKの「プロジェクトX」でもフィーチャーされています。

昔のCMで「お尻だって洗ってほしい」というキャッチフレーズがあったのを覚えておられる方もおられるでしょう。

高画質Full】TOTO ウォシュレットCM 戸川純「おしりだって洗ってほしい」 1982年

この「お尻だって洗ってほしい」は、英語では “Bottoms also want washing.” となります。

英文法で「want や need の後ろは、being washed のように受動態にする必要がない」と昔、習いましたね。

食事時はタブーかもしれませんが、このようにトイレの話も、いろいろ面白いものです。

▶PEPニュース
・マドンナやデカプリオも土産に買っていった!「日本のトイレについて」のプレゼンは、『モデル・プレゼンテーション集(予想問題編)VOL.3』に掲載されています。ウォッシュレット開発秘話を中心にまとめました。

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