決まり文句は決まり文句で!

全国通訳案内士試験二次について、前回は通訳のコツでしたが、今回はプレゼンについてです。

プレゼン課題では、①トピックに関する広い知識と、それを、②所定の形式(2分、即興、観光の視点)で表現する力が必要とされます。

その力を得るためには、基本的に、①ではインプット(本を読む)、②ではアウトプット(演習)、が重要です。

しかし、②についても基本的なインプット事項があります。それは「パターンの理解と汎用表現の習得」です。

パターンとは、たとえば「導入・本体・結論」というスピーチの三段構成がこれにあたります。

また「トピック告知⇒定義⇒具体例⇒再抽象化⇒お勧め⇒結辞」という、「開いたトピックパターン」もそうです。

事物を説明するときの「由来⇒現状」という「時系列の原則」、アトラクションを説明するときの「魅力⇒具体的アクセス法の情報提供」もそうです。

パターンの利用というと、安直な方法のように思われるかもしれませんが、そうではありません。こうしたパターンは、古来の普遍的原則であり、話し手と聞き手の両方にメリットがあるのです。

私は、このことを「テンプレは、恥ではなく役に立つ」と表現し、「二次口述特別動画セミナー」の第6講「プレゼン1 理論編」にて詳しく解説しています。

そして、このパターンを使いこなすために習得すべきなのは、要所要所で出てくる「汎用表現」です。

たとえば、冒頭のトピック告知で「~のトピックについてお話します」と述べるときの表現 “I’d like to talk about…” はこれに該当します。

これ以外にも、具体例を導く時の “One example is…” や “Among these is…” や “Of these, I recommend…” 等もそうです。

最後のお勧めの際の “Please enjoy…” “I hope you visit.” “I recommend including … among your souvenirs.” などもそう。結辞の “Thank you.” (ご清聴ありがとうございました)もそうです。

こういう表現は「お約束」です。いわば「おはようございます」のような挨拶と同じです。

ですから、必ず言うべきですし、その言い方は相手に違和感を与えないことを旨とすべきです。つまり、画一的・非個性的で無難なものが良いのです。

個性の発揮は本体で行えばよいのであって、決まり文句の部分で個性を打ち出すべきではありません。これがメリハリというものです。

書籍『モデル・プレゼンテーション集』では、さまざまなトピックについての知識が、こうした汎用表現を使ってプレゼンされています。

同シリーズは、近日中に発売予定の過去問編16で、予想問題編1~4と合わせて20冊、プレゼン例が合計393個となります。

膨大といえば膨大ですが、本試験の出題範囲の広さを考えると、これでも多すぎるとは言えません。

同書の攻略方法の1つして、まず「汎用表現」に着目し、これを覚えてみてはいかがでしょうか。

『モデル・プレゼンテーション集』は、全て私が書き、英語については信頼できるネイティブの校正を経ています。安心してお使いいただけます。

▶PEPニュース
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