名詞を知るメリット

今日は、単語の覚え方のお話です。

語彙力は、語学力のわかりやすい指標でもあり、皆、単語はたくさん覚えたいですよね。私も、語彙力を上げたい、と常に切望している口です。

ただ、「英語の勉強には、まず単語を憶えなきゃ。そのためには単語帳を1冊仕上げること」という、よく聞く勉強法は、実は私は反対なのです。

単語帳の丸暗記に私が反対する理由は、①単調であり挫折の可能性が高い、②単語は文脈の中でこそ意味を持つものであり、リストで覚えるのは効率がよさそうで実は悪い、の2つです。

もちろん、初心者の場合は、ある程度基本的な単語を知らないと、「文」を読む、ということ自体が不可能ですから、一定量の単語の暗記は必要です。

しかし、少なくとも、通訳ガイド試験に挑戦されるようなレベルの方は、多読を優先すべきと思います。リーディングの中で出てきた単語を、積極的に覚えてゆく、というやり方がお勧めです。

ただ実は、単語をリストで覚える勉強法が有効な場合があります。それは、「単純な名詞」を憶える場合です。

この「単純な名詞」とは、「知っているか知らないか、だけで勝負が決まる単語」「他の言葉で言い換えが効かない単語」ということです。たとえば、花の名前、鳥の名前、魚の名前、野菜の名前、体のパーツの名前、病気の名前、等々がこれに当たります。

このての名詞は、動詞や形容詞などとは異なり、文脈に関係なく、日本語と英語がほぼ完全に1対1の関係にあります。そして、知っていれば幼稚園児でも言えますが、知らなければどんな大先生でも黙るしかありません。まさに「知っている」ことが死命を制するのです。

私が昔、通訳をしていた頃、外国人のクライアントからお寿司屋さんで「このネタは何という魚か?」と問われて困った、という経験があります。このエピソードは、「二次口述動画セミナー」の第4講「通訳② 演習」で語っています。

外国語を話す上で、動詞や形容詞については、自分の知っている範囲内の単語で言う、という能力が大切です。しかし、こうした単純な名詞については、まさに「知っていること」が重要なのです。

こういう思想の下、私が作った単語力養成ツールの3点セットが、①書籍『日本事象英単語帳』、②無料教材「PEP単語カード」、③動画教材「クイックレスポンス単語テスト(QRT)」、です。

 

そして、こうしたツールを使って単語を覚える場合に、心に留めておくべき点は、①単語の習得には一夜漬けは効かない、②単語学習はスキマ時間を利用すべき、ということです。

今年の通訳ガイド試験の二次口述に向けて頑張っておられる皆さん、来年以降に受験を予定されている皆さん、とにかく、日本語で話せることを英語でも話せるようになりたい、と考えられている学習者の皆さん、単語の習得、やるなら今です!

ではまた。

▶PEPニュース

・二次対策にマジに取り組まれる方には、「PEP動画ホーダイ」がお勧めです!クイックレスポンス単語テスト(QRT)はこちらで視聴できます。サンプル動画あり。